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ELNEC-JPPCとは

ELNECとは

 ELNEC(End-of-Life Nursing Education Consortium)とは、2000年に米国のアメリカ看護大学協会(American Association of Colleges of Nursing:AACN)とCity of Hope National Medical Centerが設立した共同体です。ELNECは、エンド・オブ・ライフ・ケアを提供する看護師に必要な知識を教育するための系統的で包括的な教育プログラムを開発・提供しています。これまでに開発されたプログラムには、ELNEC-Core(コア)、ELNEC-Critical Care(クリティカルケア)、ELNEC-Geriatric(高齢者)、ELNEC-Pediatric Palliative Care(小児緩和ケア)などがあり、アメリカだけでなく世界各国で展開されています。

ELNEC-Jとは

 日本では、2007年厚生労働科学研究費補助金(がん臨床研究事業)「がん医療の均てん化に資する緩和ケアに関する医療従事者の育成方法に関する研究」班の分担研究(分担研究者 竹之内沙弥香)として、ELNEC-Coreを日本版に訳し、ELNEC-Japan(以下、ELNEC-J) コアカリキュラム指導者養成プログラムが開発されました。現在、ELNEC-Jコア、ELNEC-Jクリティカルケア、ELNEC-J高齢者が日本でも展開されており、ELNEC-Jコア、ELNEC-Jクリティカルケアは、看護師教育プログラムだけでなく、指導者養成プログラムも開発されています。

ELNEC-JPPCとは

 ELNEC-JPPC(ELNEC-Japan Pediatric Palliative Care)は、2016年から小児看護専門看護師及び大学教員の有志で開発プロジェクトチームを立ち上げ、日本笹川財団、日本ホスピス財団、科学研究費補助金の助成を受け、アメリカのELNEC-PPCを基盤に、日本の医療、文化的側面を考慮して開発した「日本版小児緩和ケアカリキュラム看護師教育プログラム」です。

 ELNEC-JPPCの開発では、特定の疾患や障害ではなく、命が脅かされる状況にある子どもと家族に焦点を当て、エンド・オブ・ライフ・ケアに限らず、小児緩和ケアに関する系統的で包括的な基本的事項を多面的に学べるプログラムにすることを心がけました。同時に「成長・発達」、「セルフケア」、そして、「子どもと家族中心のケア」という、小児緩和ケアを提供する上で前提となる、小児看護に重要な要素を包含することに努めました。

ELNEC-JPPCのミッション

 ELNEC-JPPCのミッションは、「どこにいても、どんなときも、子どもらしく、家族らしく『生きる』ことを支える質の高いケアを届けること」です。

ELNEC-JPPCカリキュラム看護師教育プログラムの構成

 ELNEC-JPPCのプログラムは、以下の10のモジュールで構成されています。また、それぞれのモジュールでの学びをより実践と照らして考えられるようにケーススタディやロールプレイが含まれています。

ELNEC-JPPCカリキュラム看護師教育プログラムの構成
モジュール 講義タイトル
1 小児緩和ケア概論
2 症状マネジメント:概論
3 症状マネジメント:痛み
4 症状マネジメント:痛み以外の症状
5 小児緩和ケアにおける倫理的問題
6 コミュニケーション
7 小児緩和ケアにおける文化的、スピリチュアルな側面への配慮
8 死を迎える時のケア
9 喪失、悲嘆、死別
10 質の高い小児緩和ケアを届けるために

ELNEC-JPPCの受講対象者

 ELNEC-JPPCのプログラム内容は、日本看護協会のクリニカルラダーⅡ相当の看護師を想定して開発されています。ですが、小児緩和ケアの対象となる子ども、家族に関わる全ての看護師を受講対象としています。

今後の開催予定

 現在は、科学研究費補助金の助成を受け、プログラム評価を含めた研究的な取り組みの一環としてELNEC-JPPCを開催しています。今後の予定は随時、配信したいと考えています。

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